ディレイラーハンガー。
なんか名前の響きが専門パーツっぽくていいですよね。そうでもない?
ディレイラーハンガーというパーツの存在を知ったのは、今回の記事「ディレイラーハンガーの内側曲がりによる、リアディレイラーのスポーク巻き込み」の時です。(劣化破断ではなく衝撃による曲がりです。)
おそらく、衝撃でディレイラーハンガーが曲がってのスポーク巻き込みは、衝撃後にチェックしない初心者に多いんじゃないかと思いますので、同じトラブルを経験したことのある人にとっては苦い思い出と共に少なくない共感を得られるんじゃないでしょうか。
あんな雑な乗り方をしなければ、ちょっと停車して確認してれば、などなど押し寄せる後悔の念は後を絶たず、トラブルの際は一人、今よりもまだもっと知識も少なくこれ廃車なんじゃねぇ、というくらいへこみました。写真は無いので記憶を辿りながらの、リアディレイラーのスポーク巻き込みについて。
2018年8月末頃、NESTO FALAD-Kを買って約一ヶ月頃の話です。
車止め、華麗に抜ければ熟練者?いいえそれは幻想です。
淀川サイクリングロードは多くのサイクリストが利用する快走路ですが、多くの自転車乗りが「これさえなければ・・・」と思うだろう面倒なものがあります。車止めです。
メタルクワガタ、愉快なアトラクションなどなど様々な呼び名で淀川界隈のサイクリストを悩ませます。試しに「車止め 淀川」で検索すると出るわ出るわ・・・。信じられるか?これほぼ全部自転車乗りのブログなんだぜ・・・?
彼らのおかげで淀川にやんちゃな若者たちの原付がいないので(それでもごく稀にいますが)サイクリストにとってだけの必要悪なんでしょうね。河川敷の野球ボーイのママや家族団らんバーベキューのためには河原の駐車場が必要で、申し訳ないが監視所のおっちゃんじゃあ爆走ヤンキーは止められん。車止めはみんなの河原を守る立派な戦士なのです。
今はもしかしたらやんちゃボーイも減ってるのかもしれませんが、もし20年以上前に車止めが無ければ淀川はさぞ落書きだらけのカオスだったことでしょう。
(もしくはそれで導入されたか)
ビンディング導入直後の浮かれ勘違いで車止めにぶつける
向かい風に心折れながらフラットペダルで頑張ってた、ロードバイク購入直後。なんで他のサイクリストはこんな楽そうなんだろう?と不思議に思って観察、ビンディングペダルの存在を知ります。
え、ペダルと靴がくっついてんの何ソレすげー。羨望の眼差しです。
早速購入~導入。晴れてデブがビンディングデビューです。向かい風はまぁ、楽さは大きく改善しました。でも僕は風を受ける表面積があるのでどっこいです。どすこいです。
割とマジで「表面積×体重×風速=向かい風の抵抗」じゃないかと思います。

とはいえクリートの着脱音に所有欲は満たされ、ウキウキして乗り回します。そしてやってきた車止めの洗礼。一度外すとなかなかハマらない初心者のビンディング。サッと華麗に抜けたいな~。スピード落とさずに抜けたら上級者っぽいよな~など、見当違いも甚だしい。
で、片足外しでできるだけスピードを落とさず、上下に歯があるタイプの車止めを抜けようとしてやっちゃう訳です。リアディレイラーをがっつりと。
(普通に考えてディレイラー当たるか?って感じですが。右足のみ外した結果、車体をやや右に倒して通過、おそらくテンションプーリーあたりが車止めの下の歯にあたったのかと。)
確認しない。分かんないし後でメンテに出せばいいや。
ガキッ。
不吉な音がします。「あ、なんかぶつかっちゃった。」自転車の心配より車止めに捕まったところを周りに見られてないかを確認する僕。そのまま走り出します。いやいやぶつかる云々じゃなくお前の存在が恥ずかしいわ。
そして発生するディレイラーの異常。何もしてないのにギアが変わる。
「ん?気のせいかな?」
ドライブトレイン、足回りは命を預ける箇所。車道で何かあったら即死級の事故に繋がりかねません。考えればわかりそうなもんですが、感覚がまだまだママチャリの僕は気にせず突っ走ります。まぁそのうちメンテに出そう。程度に軽く考えながら。
そしてやって来た悪夢の瞬間
時刻は確か19時過ぎ。枚方 桜町交差点(医科大前に上がるところ)の公園入口は昼間はゲートが空いているんですが、ゲートが閉じると幅1m無い横道からほぼ直角の車止めを通らなければなりません。慣れない僕はここの車止めでさらにディレイラーハンガーにダメージ!
おそらくここでディレイラーハンガーのライフがゼロになります。スポーク接触状態です。
桜町の坂を上がろうとしてロー側にシフト・・・。
ガギョン!!!
坂を上がろうとして上体を起こした姿勢でホイールが完全にロック。そのまま左にバタン。
「!?!?!?!?」
何が起こったのか全く分かりません。しばし起き上がれずボーゼンとします。
夏とは言え19時過ぎ、次第に暗くなりはじめました。
とりあえず坂の上に街灯があるのでそこまで自転車を押して・・・。
押せねぇ。タイヤが回ってない?なんで??
どうやら後輪が動かないようなので、後ろを持ち上げ前輪だけで坂の上まで歩きます。街灯の下で僕が目にしたものは・・・。
ぎゃーーーー!なんか歪んでる!!!
写真でお伝えできないのが残念です。リアディレイラーはいびつに歪み、スポークプロテクターに突き刺さっている状態。頭の中が真っ白です。
枚方市駅まで自転車を担いで~タクシーの運転手さんと交渉
途方に暮れながらも、たまたまこんな時間に通りすがったサイクリストの方に助けて頂き、とりあえずホイールを外してリアディレイラーを取り除く。
(本当にありがとうございました。)
リアディレイラーは完全に死亡、チェーンカッターがあればシングルギアで応急処置もできたとのことですが、工具が無ければどうすることもできず、その方にお礼を言ってトボトボと歩きます。今日はたまたま、銀行のキャッシュカードを持ってる。
若者でにぎわう枚方市駅の繁華街を、ホイールの外れた自転車を担いで歩くデブ一匹・・・。
さて、選択肢。
①自転車を置いてひとまず帰る。明日以降車を借りるなりで取りに来る。
②なんとかタクシーの運転手と交渉。
③近辺の自転車屋さんで修理できないまでも輪行バッグ売ってないか?あったら電車の可能性も。
枚方~梅田はタクシーに乗ったことがないので正確な金額が分からず、輪行バッグを持っていない僕にとってのローコストはおそらく③
壊れた自転車を固定し、お金をおろしてスマホを頼りに付近の自転車屋さんへ。
たどり着いたものの、色々あって時刻は21時前。開いている訳がない。ちょっともう冷静じゃなくなってたんだろうなぁ。
残り選択肢のうち①は、ここで帰ってしまうと色々と諦めてもう来ない気がする。なんとかして②ができないものか。とりあえずコンビニでゴミ袋を購入し、タクシー乗り場に向かう。
僕
「すみません、自転車壊れちゃって、何とか乗せてもらえないでしょうか・・・。」
運転手さん
「自転車はねぇ・・・。お願いされることもあるけど、車に傷が付くしはみ出て危ないからお断りさせてもらってるんやわー。」
僕
「そこを何とか!ほら、タイヤ(ホイール)外れてますし、ゴミ袋で包みますんで何とか入らないですかね・・・」
運転手さん
「う~ん、無理やと思うけど一回入るか試してみる?ちなみにどこまで行くん?」
僕
「梅田、ってか南森町なんですが・・・。」
運転手さん
「へぇ!結構遠いなぁ!そりゃ大変やわ。ま、タイヤ外れてるんやったら何とかなるかな・・・っと、これ(座布団)で傷が付かんように固定して、トランクも締まらんけどワイヤー固定したら、うん、大丈夫いけるいける!」
確かこんな感じの会話だったと思います。
それなりに距離があったおかげか、運転手さんも協力的に対応頂けましたが、良かったのか悪かったのか・・・。あ、乗せてもらった事には当然感謝してますよ。
帰って次第に込み上げる恐怖。何が起こったのかを把握。
そんな感じで数千円かけてタクシーで帰ってきて、一段落してだんだん恐怖が込み上げてきます。
これ、もし同じことが車道で起きてたら・・・。
たまたま左側でしたが、何もすることができず真横にバタンと倒れました。立ちゴケってやつです。もし右に倒れてたら頭の上を車のタイヤが通ります。左だったとしてもガードレールや電柱、最悪の想定ではベビーカーやご老人など、何もないとは限りません。
怖ぇええ!なんであんなことになったんやろ?自転車ってそういうもんなん?
自分の無関心が原因な事にすらまだ気付けていない僕にとって、無知は自転車そのものへの恐怖に直結します。なぜ発生したかが分からなければとても怖くて乗れません。
色々と調べていく中で、どうやらディレイラーハンガーが曲がってリアディレイラーをスポークに巻き込む、という事象であるらしいことが分かります。
ディレイラーハンガーというものは、深刻な事故や損害がフレーム本体に及ばないようにするためにあえて柔らかい素材になっている事、少しの衝撃で曲がりやすい性質があるため自転車を倒した時などにチェックするべき事、ディレイラーハンガーがズレると変速が決まらないようになる事、異常を感じた時にすぐに確認すれば深刻なトラブルは回避できる事、などを学びます。
・・・ガチガチ心当たりあるやん。
ここに来てようやく、自分の雑な乗り方、異常を認識した上でスルーした事が原因であり、気づきの機会/トラブル回避のチャンスは何度もあったことを知りました。
修理~込み上げる後悔。デブ、自転車を知る。
修理持ち込みします。リアディレイラー、ディレイラーハンガーの交換、少し曲がったスポークの矯正とホイールの振れ取り調整、 ついでにホイールを外した時にバネが飛んで行った(暗くて見つからなかった)クイックリリースの交換などなど。いくらターニーのディレイラーが安いとは言え、工賃もろもろ足すとしめて1万数千円。
プラス、ディレイラーハンガーのメーカー在庫が無く、2週間強の修理期間。
タクシー代含めて2万円近くの出費、直るまで乗れない。スピードがほぼゼロなので軽い打撲のみでしたが、場合によっては深刻な怪我を負っていた可能性。
車止めにぶつかった時にチェックしていれば・・・。
ディレイラーの変速がおかしくなった時に気付いていれば・・・。
そもそも、車止めを丁寧にやり過ごしていれば・・・。
後悔の念は後を絶ちません。が、たらればをしてもキリがありません。
廃車や長期療養など深刻な損害ではなかったことを不幸中の幸いと捉えて、大切なのは次に起こらないために何ができるか。
ここでようやく、自分自身がある程度知識を付けることが最低限の事故の予防につながる、ということに思い至ります。
幸い今はネット社会。検索すれば様々な情報が入手できます。
走る前に最低限やっておくべき自転車のチェック箇所、ディレイラーの調整の仕方、ブレーキの調整の仕方、自転車の各パーツの名称と役割、メンテナンスの方法などなど。1個の情報で学ぶのではなく、複数のサイトで調べて自分なりに情報を統合、吸収。
大切なのは正しく自転車のことを知り、不具合のない状態で乗って危険な行為を避けること、何か異常を感じたらすぐチェックすること。
速さとかは二の次、ましてや車止めをスムーズにパスできるかなんかマジでどうでもいい。てか、自転車をぶつけそうなパスの仕方はカッコ悪い。時間かかってもいいじゃない。
膨大な知識・情報がある自転車の世界。まだまだ勉強中ですが非電子系のメカは嫌いじゃないので、精進して知識習得し、安心・安全なライドを心掛けよう。あとやっぱ初心者には詳しい知識を持った専門店のサポート重要、と思った次第です。
以上、機材トラブルから安全に自転車に乗ることを身をもって学んだ記録でした。交通トラブル編もありますが、それはまた別の機会に。
終わり。
コメント